2014年3月20日木曜日

ファッション誌を買ったことの無い人間がファッション誌の話をする。

今日の合い言葉は「三連休なんて都市伝説」。渡部です。


仕事仕事で頭の温度が上がっていたので,ネットサーフィンをしてクールダウンをしていたんです。

そうしたら面白い記事が流れてきました。

【内閣広報室が発売前に取材要請 秘密保護特集企画の女性誌に−47NEWS(よんななニュース)】
http://www.47news.jp/CN/201403/CN2014032001002021.html
(以下引用)
 憲法改正や特定秘密保護法の特集を企画していた女性ファッション誌の編集部に、内閣広報室の職員が「うちも取材してくれませんか」と電話で依頼していたことが20日、分かった。当事者が取材に明らかにした。編集部は「発売前なのになぜ知っているのか不気味だった」としている。識者は「言論の自由に対する威圧につながりかねない。言語道断だ」と批判している。
 雑誌は光文社の女性ファッション誌「VERY(ヴェリィ)」。内閣広報室は、首相を直接補佐する内閣官房の一組織。

 内閣広報室は「特集をするらしいと書店から聞き、正確な情報を知ってほしいと思った」と説明した。
(引用終わり)


姉さん事件です!(VERYだけに)


【前提となる知識のおさらい】

「VERY」という女性誌ですが,皆様ご存知でしょうか?

光文社さんから絶賛発売中の,大人気ファッション誌です。

オシャレな女性はみんな読んでいると二日に一回ぐらいの割合で聞きます。

コンビニ・書店等で気軽にお求め頂けるので,是非立ち読みではなくご購入を検討して下さい。

で,このVERYという雑誌,オシャレに疎い私は当然存在すら知らなかったんですけど,冗談抜きで有名な雑誌なんですってね。

そんなVERYの3月号ですが,オシャレな皆さんなら当然購入して熟読されていると思うんですけど,なんか知らないんですが,「お母さんこそ,改憲の前に知憲!」と題して,堅苦しい感じ抜きにして,まず憲法を知ろうよ!という特集を組んだらしいです。

「なんでファッション誌なのに憲法論語るんだ?」という疑問は持たれて当然だと思いますし,私もそう思いましたし,まぁそれでもこういう雑誌で憲法論を気軽に議論できる環境っていいですよね。光文社さんのセンスが光ります。

実はこれ,若手弁護士の有志団体が,一所懸命憲法議論を普及させる活動をしておりまして,それが芽吹いた一例なのでございます。

興味が湧いた方,是非ご一読下さい。




【おさらい書いてたら思い出したもっと大事な前提】

そして,当然私はこの若手弁護士の有志団体に属しておりませんし,なんのお手伝いもしていませんし,光文社さんから何の見返りももらっていません。

もらいたいとかそういう気持ちは表に出さないのが大人のたしなみ。



【ぼくの思う問題点】

共同通信が報じた内容が事実だとすると,つまりはこういうことです。

内閣広報室「憲法特集で若手弁護士が何かのたまうんでしょ?何言うか分からんからぼくのところも取材に来てよ。」

善意解釈すれば,「一方当事者の主張だけではなく,他方当事者の主張も載せて,公平な記事を書いてよ!」ということです。

こう書くと,「別に変じゃないんじゃないの?」という印象を受けますが,よく考えたら気持ち悪いです。




①「え,なんで発売前に記事の内容知ってるの…?」

VERYさんがどういう広告をうっていたかは知りませんが,少なくとも憲法特集ぐらいは謳っていたでしょう。

で,実は私はVERY読んでいないので掲載された内容を詳しく知らないのですが,憲法の改正がどうして必要なのかとか,特定秘密保護法の憲法上の問題点とか,そういう内容なのでしょう。

仮に掲載内容が内閣広報室の意向に沿うものだったとするならば,わざわざこんな電話を光文社さんにしないでしょう。

ということは,不思議なことに,内閣広報室は「あの雑誌にこんな内容の記事載るらしい」というのをどういうルートか仕入れたことになります。

ちょっとしたストーカーです。

まぁ意図的なリークじゃないにしろ,それに関わる人間の数が増えれば情報漏洩の危険性も増える訳で(特定秘密保護法的発想),仕方ないですよね。





②「『取材してくれませんか』って,どれだけ自分に自信があるの…?」

私は取材をされたことがないので,あくまで私の感覚なんですけど,取材って,されるものであって求めるものじゃないと思うんですよね。

取材って,あくまで主体は記者さんであり,書くべき記事に必要な情報を持っている記者さんが自分で(あるいは会社で)判断して取材対象を選び,自分の文章で書くための準備だと思うんですよね。

今回で言えば,VERYさんが若手弁護士達を選んだ訳ですよ。カフェ感覚で話してもらおうとした訳ですよ。女性同士でキャッキャウフフと話してもらおうとした訳ですよ。

カフェで楽しく話してたら「おれの話も聞いてくれ」っていかつい黒ずくめのスーツの人達が隣の椅子に座ってコーヒー(たぶんブラック)を注文し出した訳ですよ。

ぜんっぜん楽しくない。これ雑誌売れない。

あれか,自分達のトークに自信があるから「取材してくれませんか」とか「一緒にお茶しない?」とか言えちゃう訳だ。

だがな,そんなこと言ってくるやつはたいてい薄っぺらいやつだと相場が決まっているんだ。

本当にお茶したい人っていうのは向こうから声かけられるものなんだからね!





③「『正確な情報を知って欲しい』ってどういうこと…?」

内閣広報室は,若手弁護士達の意見を「誤った」乃至「誤ったように捉えられる」ものだと判断しました本当にありがとうございました。




【ぼくの意見】

上記しましたが,共同通信が報じた内容は,見る人によっては,「他方当事者の意見も載せてね」という内閣広報室の真っ当なお願いとも受け取られるかもしれませんが,

①「え,なんで発売前に記事の内容知ってるの…?」
        +
②「『取材してくれませんか』って,どれだけ自分に自信があるの…?」
        +
③「『正確な情報を知って欲しい』ってどういうこと…?」

全部足すと,答えは,

「こっちくんな」です。

そもそも内閣広報室は国の機関なのです。

それこそ個人より遥かに,特定の団体より遥かに,宣伝力を有している訳です。

また,当然のことながら,国家権力の一部を担っている訳ですので,その行動は謙抑的であることを意識しなければいけないはずです。

①権力者が予め発行雑誌の内容を検閲(乃至それに近いもの)し,
②自己の意見を聞くように要請し,
③自己の意見が正しいことと疑わない

のであったのならば,


これを言論統制と言わないで他に何が言論統制になるんだ。


と思います。




ただね。

私もいつもうるさい事ばかり言っている訳じゃないんですよ。

私だって日本人ですよ。日本大好きですよ。日本が正しい方向に向かって欲しいですよ。

内閣広報室の悪口みたいなことも書きましたが,きっと,中の人は,内心焦ったと思うんですよね,「あっ,おれ達もあーゆー軽い感じで国民に普及させたい」って。

オーケー,君たちにも言い分があるのだろう,聞くさ。おれは聞くさ。

今日はそんな君たちのために,おれがとっておきのアイデアを持ってきたよ。

いいか,要するに「庶民派感覚」を維持したまま,国民と政府の距離を縮めればいいんだろう?

きっと君たちは「そんなの無理だ!」と言うかもしれない。だけど,君たちぐらい権力があれば大丈夫だ。いいか,よく聞け。

「タモリ」っているだろ?そうだ,芸人のタモリさんだ。

タモリさんの芸風は庶民ウケするんだ。おれも大好きな芸人さんだ。1人麻雀のネタが大好きだ。うん?そうだ,いいとも!に出ているな。

さすが内閣広報室だ。いいとも!がまさにそれだ。あれはテレフォンショッキングというコーナーがあってな,毎回20分〜30分くらいタモリさんとサシで話せるコーナーがあるんだ。

あれに首相を出演させるんだ。

心配するな。過去に小泉元首相がいいとも!に電話出演した前例がある。内閣的にもオーケーなはずだ。そこで首相に語らせるんだ。VERYの比じゃないぜ?フジテレビジョンだぜ?視聴率何%だと思っているんだ?効果は絶大だ。






但し国会の開会中にはやるな。
国民が「お昼にお前何してんだ。」って批判してきそうだから絶対にやるな。





どうです?たまには良いアイデア出すでしょ?






(今日の一言)

え?ぼくの事務所テレビないから今日いいとも!観てないんだけど,なんかあったの?



(平成26年3月21日17時48分追記)

あと,自分で日本を予想の斜め上を行く大胆な舵取りしておきながら,タモさんとのんきにイチゴ食いながら飲みに行く約束とかはするな。震災とか放射能で苦しんでいる人達の娯楽を奪うな,放送でするな,楽屋でしろ。

いや,今日も仕事なんでいいとも観てないんですけど。




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