2014年7月16日水曜日

我々は何も求めない。だから我々から何も奪うな。

W杯が終わりましたね。渡部です。


ぼくは当然日本を応援していたんですが,非常に残念でした。

走力が圧倒的に足りない。見ていてワクワクしない。

まぁサッカーは未来永劫続くわけです。次に期待です。



日本以外では,ドイツを応援していました。

理由は今回のドイツのサッカーの精度が高かったからです。見ていて面白い。

妻はアルゼンチンを応援していました。

理由はメッシがいるからです。

「アルゼンチン今回どこまで行くかねー」
「優勝するよ。」
「でも戦術的にはドイツやオランダの方が面白いよ。あとチリとか。」
「大丈夫。アルゼンチンにはメッシがいるから。
「何それ『戦術はメッシ』っていうこと?」
「うん。」
「何それすごい自信。」

応援しておいてなんですけど,ぼくもまさかドイツが決勝まで行くとは思っていなかったんで,決勝の組み合わせがドイツ−アルゼンチンになったときには,ヤバい,夫婦喧嘩が始まってしまうと心配しました。

ところがその前にネイマールが抜けたブラジルが大敗したのを見て,個の力だけでは勝てないことに気がついたのでしょうか,

「アルゼンチンはきっと負ける…」

と呪文のようにつぶやいていました。

お前弓道部だったろうに。何をそんなに本気になってるんだ。




さて。




みなさんは(日本の他に)応援していた国はありましたか?

どうでした?楽しめました?

ぼくはドイツ以外に応援していた国が1つだけありました。




ボスニア・ヘルツェゴビナです。




ブラジルW杯で唯一の初出場国です。

日本でも監督をして頂いたイビチャ・オシムさんの母国です。

私が現在世界最強のストライカーだと思っているズラタン・イブラヒモビッチさんのお父さんの母国です。

実は厳密には初出場ではないんですけど,「いろいろ」あって初出場です。

「いろいろ」っていうのは,ぼくがお話するよりも,ニュースをちゃんと見ている皆さんの方がご存知だと思うので割愛します。

「いろいろ」の中身を知りたい方は,Google先生に,「ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争」と聞いてみて下さい。


ぼくがボスニア・ヘルツェゴビナを応援する理由は,オシムさんの母国であることと,「いろいろ」を経た国であることの2つです。

本当に「いろいろ」の後は大変だったみたいです。

何しろ「いろいろ」の後は,スタジアムに木が生えていたらしいですからね。

「いろいろ」あって,選手も外国籍とか選んじゃいましたからね。人材も流出したわけです。

「いろいろ」のせいで,FIFAからハブられてましたからね。オシムさんが尽力されました。

ボスニア・ヘルツェゴビナは,グループリーグ1勝2敗で敗退しました。







すげーわ。





だって,木が生えているところからここまで来たんですよ?

イメージとしては日産スタジアムがジャングルになっているみたいな感覚ですよ?

準優勝したアルゼンチン(しかも絶好調時)から1点とったんですよ?

鳥肌が立ちましたね。

「やりやがった!なんだこいつ!」と意味不明な日本語叫んじゃいましたからね。





さて。




2011年,なでしこジャパンが世界一に輝いた際,チームが国民栄誉賞をもらいました。

私はそれが残念でなりません(個人の感想です。)。

フットボールの唯一無二の信条は「自由」です。

そんなのもらうなよ。利用されるなよ。まぁ仕方ないのかもしれないけど。





今日は一人のフットボール狂として言わせて下さい。







「我々は何も求めない。だから我々から何も奪うな。」







これがフットボーラーってもんじゃないすか。


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2014年7月2日水曜日

日本の政治はフットボールよりも甘い。

日本は負けちゃいましたけど,今回のW杯って,白熱する面白い試合多いですよね。


ところでサッカーの基本的ルールって,「ボールを手で扱ってはいけない」というのがあるじゃないですか。

こんな当たり前のルールなんですけど,実は国際サッカー評議会(The International Football Association Board)が競技規則を制定し,その冊子(英語版)を国際サッカー連盟(いわゆるFIFA)が発行しているんですよ。

この競技規則は結構頻繁に改正されていて,ボールの形状とかゴールの大きさ,オフサイドの定義など,サッカーやってる人ならよくご存知なところとかも結構改正されているんですね。

で,そのFIFAの英語版ルールを下に,Jリーグもルールを運用しているんですよ。

ただ,ぼくとかを始め,英語読めない人いっぱいいるんで,日本サッカー協会(いわゆるJFA)が日本語に翻訳したものを出しています。それがこちら。
http://www.jfa.or.jp/match/rules/pdf/law_soccer_all_11_2013.pdf

本当は英語版が正式ルールで,JFAの翻訳版はあくまで英語の正式ルールを分かりやすくした補助的なものなんですけど,英語わかんないからJFAの方で話をします。



サッカーって「ボールを手で扱ってはいけない」ということは,もはや義務教育の過程で学んでいると言っても過言ではないと思うんですけど,「じゃあなんでゴールキーパーは手を使ってるの?」って思ったことありませんか?

しかもゴールキーパー,自分のゴール前の四角で囲まれたエリア(ペナルティエリア)の外では手を使わないようにボールをクリアしようとしている様子をご覧になられたことはありませんか?

その理由は簡単で,当たり前のようなことですが,いや,当たり前のことだからこそ,ルールで定められているからなのです。


JFA翻訳版第12条にはこう書かれています。

第12条 ファウルと不正行為

ファウルと不正行為は,次のように罰せられる。
(中略)
●ボールを意図的に手または腕で扱う(ゴールキーパーが自分のペナルティーエリア内にあるボールを扱う場合を除く)。


実はサッカー創世記にはゴールキーパーという概念はなく,手を使えるプレイヤーはフィールドにはいなかったということを小学生のとき,クラブチームで学んだんですけど,色々時代の変遷を経て,ロングシュートでぼんぼん点が入る競技ではなく,緻密な戦略で唯一手を使えるゴールキーパーという砦を崩すという駆引きを重視する競技を目指したためだそうです。

ただ,フィールドのどこでも手を使えるとサッカーの面白さが減少してしまうので,手を使えるのはペナルティーエリア内のみ,しかもゴールキーパーのみ(普通の選手はハンドをとられてPK)ということになりました。

要は安易な得点(失点)が生じないように工夫されているんですね。分かりやすいね。





このままサッカーの話で終わらせるわけがないでしょうが。




サッカーって,点がなかなか入らないスポーツなんで,失点すると,かなり精神的にダメージを受けるんですよ。

代表監督「ぼ,ぼく,失点するの怖いから,シュート撃たれたら手でブロックしたい。」

あー,その気持ちは分からんでもない。

代表監督「でもぼく,日本が負けて欲しくないから,ゴールキーパー以外の人も手でブロックさせようと思うんだ。」

いやそれは無茶苦茶だ。FIFAのルール見てみろよ。とりあえずJFAのでもいいわ。

代表監督「でも,12条は,意図的にとか縛りがあるでしょ?意図的って,人の内面なんて分からないでしょ?だから,失点をふせぐために咄嗟に出した手は,ハンドじゃないと思うんだ。」

じゃあFIFAにルール改正求めろよ。FIFAは絶対OK出さないけどな。

代表監督「確かに難しそう。でも,ぼくはそう解釈する。これでW杯戦うよ!」




これがここ最近,日本の霞ヶ関で起きている現象です。



ではここで問題です。ルール(憲法)破った監督(首相)はどうなるのでしょーか。


ぼくは答えを知りません。

答えを知っているのは主権者たる皆さんです。




ではもう1つ問題です。

フットボールが盛んな国(例えばブラジル)で,このような代表監督が現れた場合はどうなるのでしょーか。

これなら答えを知っています。



















即更迭されて国内にいられなくなる状態に陥ります。


日本の政治はフットボールの世界より甘い。




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2014年7月1日火曜日

矛を止める美しさ。矛を振り回したい醜さ。

2014年7月1日は社会の教科書に載る日(悪い意味で)。弁護士の渡部です。


ついに我々国民が本気を出すときが来ました。


本日,安倍晋三首相は,憲法の解釈変更という形で閣議決定をし,記者会見したようです。

【「戦争に巻き込まれる恐れ,なくなる」首相,改憲で強調(朝日新聞デジタル)】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140701-00000030-asahi-pol

(抜粋)
安倍晋三首相は1日夕、憲法解釈を変えて集団的自衛権行使を可能にする閣議決定をしたことを受け、首相官邸で記者会見した。戦後日本の安全保障政策の大転換だが、首相は「武力行使が許されるのは、自衛のための必要最低限度。従来の憲法解釈の基本的な考え方は何ら変わるところはない」と強調した。
(抜粋終わり)



今日のぼくは割と本気で怒っています。


とりあえず,これを読んで下さい。


   第二章 戦争の放棄
第九条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
○2  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


では国語の問題です。この日本語のどこを読めば,集団的自衛権(外国がやられたら自分達が武力介入する)が認められるでしょーか!

正解は「どこをどう読んでも認められない」でした。

弁護士って,職務上,断定的に法的判断をお客様に提供してはいけないっていう縛りがあるんですけど,これブログなんで,断定します。

現行憲法では集団的自衛権は認められません(断定)。


「日本が戦争できないままだと危ないじゃないか」理論を主張する方々がいますが,その理論を主張している方々(集団的自衛権行使容認派)は,昔からずっと,「だから憲法を改正すべきだ!」と主張されてきました。


要するに,今回の閣議決定は,集団的自衛権容認派の人達もかなりドン引きしている宣言です。




さぁ,そんな中,安倍氏(もう首相とかつけるのもやだ)はどのように述べているのでしょうか。上記記事から見てみましょう。



安倍氏:武力行使が許されるのは、自衛のための必要最低限度。従来の憲法解釈の基本的な考え方は何ら変わるところはない



基本的解釈どころか,正規のルート(憲法改正)使わないで180度根本的に方向転換する,例えるならあんたが酒気帯び運転で日本を運転してるからこんだけ騒ぎになってるんだろうが。目を覚ませ。


安倍氏:外国を守るために日本が戦争に巻き込まれるという誤解がある。しかし、そのようなこともありえない。憲法が許すのは、あくまで我が国の存立を全うし国民を守るための自衛の措置だけだ。外国の防衛それ自体を目的とする武力行使は今後とも行わない。今回の閣議決定によって、日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなっていく


集団的自衛権は日本を守るために密接した外国を守るというスキームだろうが。密接した外国が紛争始めたらどう考えても日本は自分から踏み込んでいくことになるんだよ。そういう風にあんたの大好きな岡崎久彦氏(リンク参照)も言ってたわ。



安倍氏:閣議決定をふまえ、関連法案の作成チームを立ち上げ、直ちに作業を開始したい。準備ができ次第、国会に法案を提出し、ご審議いただきたい


その前に全国で血管が切れかかっている憲法学者の人達が声明を出しているから,その人達と一緒に座談会をしろ。その中にはたぶん集団的自衛権容認派の先生もいらっしゃる。あんたのやった「手続き」に関して議論してみろ。たぶんかつてない程の敗北感をもれなく味わえるぞ。



もうこの際だ。日本が将来的に集団的自衛権を認める国になるか否かは置いておこう。


憲法はもちろん,法律ってのはルールなんだよ。そのルールで「ダメ」って言ってるのに,「ぼ,ぼくはそうは思わないから」とか言い張ってんじゃないの,子どもじゃないんだから。やりたかったらルールをちゃんとした手続きで変えなさいよ。



ルールも守れない人が「日本が戦争に巻き込まれる恐れは一層なくなっていく(キリッ)」とか言ってんじゃないの!説得力ゼロで逆にものすごい不安になるわ!


今回の閣議決定は,ぼくは安倍氏内閣の「意見表明」に過ぎないと考えたいと思っています。

まだ終わらんよ。まだ終わらんよ。まだ主権者たる国民がおるよ。

そう言えば,噂に聞いたんですけど,日本って,「サムライ」の国だったらしいですね。武士です。

武士の「武」の字って,俗説かもしれないんですけど,「矛を止める」と書くらしいですね。

敢えて刀を抜かない佇まい。その勇気。それが「サムライ」らしいです。

サムライジャパン?サムライブルー?ぼくそういう呼称嫌いなんですけど,最近よく耳にしますね。



ギリギリまで刀を抜かない美しい佇まいを持つサムライの子孫の皆さん,おれはこんな暴挙許せないな!





やり方が汚いんだよ。全く美しくないよ。全然「和」じゃないよ。




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